(一社)日本塗料工業会における塗料・塗装とホルムアルデヒド規制について
- 1. シックハウス症候群と法規制
- 新築住宅に入居した人や住宅を改修した後に体調不良を訴える人が増加し、この健康影響のため、新築の家や改修した家に住めなくなるなど大きな社会問題が生じています。
- これらの体調不良の症状が多様で、そのメカニズムも十分に解明されていない部分が多く、また、様々な要因が考えられる事などから総称して「シックハウス症候群」と呼ばれています。
- 現在、シックハウスの原因となる化学物質に対して厚生労働省では、人が健康に住めるための目安となる室内濃度指針値(13物質)を公表しています。
- そのうち塗料・塗装に関係する化学物質としては、現時点では建築基準法の対象としてホルムアルデヒドのみが規制されています。
<厚生労働省の室内濃度指針値>
- 2. 「F☆☆☆☆」とは?
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改正建築基準法の施行により、建材のホルムアルデヒド放散の等級表示がされることとなりました。
「F☆☆☆☆」マークの「F」はホルムアルデヒド、「☆」の数が多いほどより放散が少ないことを意味しており、その中で最も少ないものが「F☆☆☆☆」です。
建材(塗料も含む)はホルムアルデヒドの放散量により、下記のようにFスターで分類されています。
F☆☆☆☆:使用面積制限なし
F☆☆☆ :使用面積制限有り
F☆☆ :使用面積制限有り(F☆☆☆より使用面積は少なくなる)
マーク表示なし:使用禁止 - 3. 塗料からのVOC放散と安全な取り扱い方
- 塗料を塗ってから固まる間にホルムアルデヒドを含む揮発分が放散される速さや量は、塗料の種類によって異なりますが、通常は1日経過すると、大半は蒸発するといわれています。現在、市場に出ている室内用塗料では一旦固まってしまえばほとんど放散がありません。
一般的には、室内用塗料としては、使用される塗料に求められる性能や使用状況によって、塗料を使い分けることが必要となりますが、ホルムアルデヒド放散等級が建築基準法対応の「F☆☆☆☆」と有機溶剤の使用量が少ない「水性塗料」を第一優先として推奨しています。
但し、どんなに「F☆☆☆☆」や「水性塗料」を選ぼうとも、施工時および施工後の換気、養生は大切です。
塗装仕様、施工方法を守ってより安全・安心な室内環境を作り上げてください。