高温物との接触
高温の環境(熱中症)
事故事例対策シート
不安全行動事例
1. 工場内での充填・洗浄・仕込み作業時
1)高温の環境で充填作業中に熱中症を発症。
- 50~60℃に加温したタンク下で、さらに隣に50℃の充填済み製品がある所で充填作業を行っていたところ、体調が悪くなり休んだが頭痛と吐き気症状を起こした。
- 高温(熱中症)1
2)夏に粉体投入作業中に熱中症を発症
- フレコンバックからの粉体投入作業時に、頭痛・寒気を引き起こした。
- 高温(熱中症)5
3)夏にタンク洗浄中に熱中症を発症
- 製品タンク洗浄中に急が胸が痛くなり動けなくなった。脇・太もも・首の冷却を行い安静にしたら改善したので作業に戻った。翌日も体がだるく、吐き気、胸の痛みがあり、病院で熱中症と診断された。
- 高温(熱中症)6
2. 倉庫内作業・荷積み作業
1)夏の屋外で荷物積み替えを行っていて熱中症を発症
- 20kg粉体塗料300袋を運送業者のパレットへ積み替え作業をしていたところ、体調が悪くなった。休憩するも痙攣症状を起こした。
- 高温(熱中症)2
2)夏の倉庫内外で荷揃え中に熱中症を発症
- 午前中から作業し、午後の作業に入った30分後に立ち眩みを覚えて休憩していたが過呼吸と手足の痺れを起こした。
- 高温(熱中症)3
3)夏に10tトラックへ石油缶の積み込み中に熱中症を発症
- 午後から積み込みを開始し、積み込みしていたドライバーが体調不良。水分補給と室内で休憩させたが回復しなかった。
- 高温(熱中症)4
4)高温のテント倉庫内でラベル貼りを行い熱中症を発症
- 午前中、テント倉庫でラベル貼り作業を行った。昼休憩時に体調が悪かったので休んでいたが、急に頭痛や手足の筋肉の硬直が始まり、呼吸も苦しくなった。
- 高温(熱中症)7
実際に発生した事故例
熱中症の症状
高温環境下の作業により、体調不良、だるさ、頭痛、吐き気、めまい、筋肉の硬直、手足の痺れ、けいれん、過呼吸、胸の痛み 意識障害を発症した。
頭痛や吐き気があれば、早急に医療機関にかかるほうがよい。
とりわけ高体温、けいれん、意識障害がある場合は重症である。
機械的安全対策事例 等(発生源対策) [詳しくはこちら ]
1.体に身に着けて直接冷やすもの
- 緊急用保冷剤
- 冷却シート
- ネッククーラー
- 空調服
- クールスーツ(暑さを感じにくい)、透湿性・通気性の良い服
- クールベスト
- ヘルメット用パッド
- デオドランドシート
- 熱中応急処置セット
- 個人用クーレット
2.付帯設備の改修等
- スポットクーラー+導風ダクト。
- 移動式扇風機。
- 休憩場所の整備。
- 窓に遮熱フィルムを貼る。
- 屋根に遮熱塗料を塗る。
- 路面に遮熱塗料を塗る。
行動教育事例 [詳しくはこちら ]
1.作業者の体調把握
- 暑さ慣れや環境に適応するための「順化」期間を設ける。
- 睡眠不足・体調不良などの健康状態の把握をする。
- 給水を取れる休憩時間を設ける。
- 水分・塩分の摂取させる(塩飴、麦茶、スポーツドリンク、経口補給液等)
- 高齢者の方は、特に注意が必要。暑さや水分不足に対する感覚機能が低くく、暑さに対する体の調整機能も 低下している。
- 暑さ指数計による作業環境のチェック。
2.熱中症に対する教育
- 注意喚起を掲示
- リーフレットを活用して教育する。中災防、厚労省、環境省。
チェックポイント
- 作業者の健康状態把握
- 暑さに対する順化健康状態把握
- 熱中症になりにくい作業環境整備健康状態把握
- 透湿性や通気性の良い作業服の着用や冷却グッズの装着健康状態把握
- こまめな水分や塩分の補給と休憩
熱中症の応急処置[詳しくはこちら ]
- 涼しい場所へ避難させる。
- 衣服を脱がせ、体を冷やす。
- 水分・塩分を補給する。
- 自力で水が飲めない、意識が無い場合は、直ちに救急隊を要請する。
- 緊急時に搬送できる病院の把握をしておく。