ガラス器具が原因の切れ・こすれ事例
不安全設備:ガラス器具
事故事例対策シート
不安全行動事例 ・定常作業中にこれらの事例が発生
1. コップ・ビーカー等ガラス容器の取り扱い中
- ガラスコップを両手に持ち階段を上がろうとした際、つま先が段差に引っ掛かり転倒、そのまま床に倒れこんでガラスコップが割れて手のひらを切った。
- ガラス事例1
- ペイントシェーカーでガラス瓶に入れた塗料を混錬中、ガラス瓶が破損した。飛び散った塗料を拭き取っていたところ、ガラス瓶の破片で右手中指を切った。
- ガラス事例2
- 500mlビーカーを洗浄し、ウエスで拭き取り作業中に手から滑り落ちた。とっさにビーカーを拾おうとしたが割れたビーカー底部で左手中指付け根を切った。
- ガラス事例3
- ペイントシェーカーに混錬する塗料を入れたガラス瓶をセットする際、固定するハンドルを締め付けすぎたためガラス瓶が破損し、支えていた左手親指と手のひらを切創した。
- ガラス事例4
2. その他、実験用ガラス器具の取り扱い中
- サンプリングのためのピペットにゴムキャップを付ける際、なかなか入らなかったため、力を入れすぎたところ、ピペットが割れて人差指と親指の根元を切った。
- ガラス事例5
- 冷却管(コンデンサー)のすり合わせの差込口が破損して鋭利な状態であったが、シールテープが巻かれておりそれに気付かず接触し、中指を切った。
- ガラス事例6
- 四つ口フラスコを洗浄中、フラスコ内に水を入れて、手で振とうさせていたところ、流し台の角にぶつかりフラスコが破損、割れた破片が飛び散り左手薬指を切った。
- ガラス事例7
実際に発生した負傷例
1. 切れ(切創)
2. こすれ(裂傷)
- 手のひらと親指を裂傷
- ガラス事例4
安全対策事例[詳しくはこちら ]
1. 切れ・こすれ防止基本対策
- (1) 保護手袋を使用する
- ・作業に見合った適切な保護手袋を着用する。
例)耐切創手袋(革手袋、アラミド樹脂製手袋、ゴム手袋など) - (2) 作業場(台、床)に保護マットを敷く
- ・ガラス器具を取扱い中、落としても割れにくくするための緩衝材(マット)を敷く。
- (3) 非ガラス製器具に変更する
- 可能であれば金属製またはプラスチック製の器具に変更する。
行動教育事例 [詳しくはこちら ]
1. 教育訓練
- ガラス器具は割れる危険性が高いという認識を持ってもらうための教育を実施する。
2. 注意喚起の表示
- 「ガラス器具取扱注意」「保護具着用」など表示を行い安全意識を維持する。
使用上のチェックポイント
1. ガラス器具は基本的に素手で扱わない
- 破損しやすいことを想定し、保護手袋を着用すること。
2. 割れることを前提に作業する
- ガラス器具の持ち方、ぶつかると破損するものが周囲にないか?など
取扱い基本操作を遵守し、作業時は慎重に行う。