巻き込まれ事故:回転体への巻き込まれ
不安全設備:自動充填機
事故事例対策シート
不安全行動事例 ~ 定常作業中に非定常の現象が発生
1. 製造途中のトラブルにより発生
- 塗料充填中にネジが緩んだことで、上部にあるクランプ部が外れたため、左指で下部のロッドを持ち上げながらクランプを下げたが、エアーを止めずに作業をしたため、左指が挟まれた。
- 自動充填機事例1
- 充填されたドラム缶をフォークリフトで搬出ラインから抜き取る作業をしていたが、シャッター戸袋下でドラム缶が途中停止したため、左手を戸袋とドラム缶の隙間に手を入れてドラム缶を引き出そうとした際に、手を挟まれた。また、ドラム缶が動き出したので反射的に手を抜いた為、指が抉られたような状態になった。
- 自動充填機事例2
- 充填機ラインにおいて、上から落ちてくる蓋がそのまま缶の上に2枚重なって出てくる状態だったため、あわてて重なった蓋を外そうとして、装置のスイッチを切らないまま装置内へ手を入れたため挟まれた。
- 自動充填機事例3
- 蓋閉め異常の報告を受け、現場にて状況を確認するために、蓋押し部分の動作確認を実施したが、電源を切らず「運転させたまま」で行った。蓋押しシリンダーが上昇、シリンダーブロック部分の角に指が挟まれた。
- 自動充填機事例4
2. 段取り換えの最中に発生
- ラベルのセット作業中に、誤って付属部品を落としてしまい、とっさに手を出したところ、センサーに接触してしまい、石油缶を押し出すスライダーが稼動し、腕が挟まれた。
- 自動充填機事例5
- 溶剤が石油缶からあふれないかどうかをブース内の上部から頭部を入れて覗き込むように充填状況を確認していた時、次の溶剤を充填するためのヘッドが動き出し、充填ヘッドと排気ダクトの間に頭部が挟まれた。
- 自動充填機事例6
実際に発生した負傷例
1. 打撲
2. 切創
3. 裂傷
機械的安全対策事例 [詳しくはこちら ]
1.巻きこまれ防止の基本対策
- (1) 保護壁の設置
- ・アクリル板を用いての不用意な接触防止
- (2) 治具の設置
- ・落下防止治具、固定治具(巻き込まれないための直接的な対策)
- ・ドラム引き出し治具の活用(巻き込まれないための間接的な対策)
- (3) 改良工事
- ・作業環境の改善見直し
2.挟まれ時の緊急対応策
- (1) 非常停止・緊急停止ボタンの活用
- ・被害程度の軽減
行動教育事例 [詳しくはこちら ]
現場掲示
・危険認識、安全意識の維持
使用上のチェックポイント
1.稼動時には近づかない。
・自動充填機の稼動時には近づかない。稼動エリアに入るときは、必ずスイッチを切る。
2・作業標準書を新規制定、改訂する。
・危険作業の見直しと安全作業の統一化のために、作業標準書の新規制定もしくは改訂を行う。