高温物との接触

不安全設備:容器等(こぼれ、噴出)

事故事例対策シート

不安全行動事例

1. 高温液体との接触

(1) 蓋の無い容器に入れた合成樹脂工程サンプルがこぼれた

  • 左手で試験室のドアノブを回して体で扉を押し開けようとしたが開かず、その反動で 右手に持った蓋無し容器に入れたサンプルが跳ね、左手甲にかかった。
  • 高温(容器等)1
  • サンプル入り紙コップを左手に持ち、右手の簡易手袋を外してゴミ箱に捨てようとしたとき、サンプル液が左手甲に少量こぼれた。
  • 高温(容器等)2

(2) 加温した洗浄液が容器から噴出した

  • フラスコに洗浄用水酸化ナトリウム水溶液を入れ、マントルヒーターで加温した。
    洗浄液を移し替えるためにヒーターか取り出したフラスコを軽く回したところ、洗浄液が噴出した。
  • 高温(容器等)3
2. 高温蒸気・炎との接触

(1) 加熱した容器等の蓋、扉から放出された水蒸気に接触

  • 沸騰水試験用のお湯が沸騰しているか確認しようとして、バットの蓋を水平のまま上げたとき、蓋の全周から一気に放出された水蒸気に腕が接触した。
  • 高温(容器等)4
  • 加温庫を停止後、ドラム缶取り出しのために扉の裏に立って扉を開けて水蒸気を抜き始めた時、風向きが変わって水蒸気が作業者の顔に接触した。
  • 高温(容器等)5

(2) 攪拌槽で発生した炎に接触

  • ダクトが破損していたため集塵機ダンパーを閉じたままペレット状エポキシ樹脂を攪拌槽に投入中に、投入口から炎が上がり両腕と顔に接触した。
  • 高温(容器等)6

実際に発生した負傷例

1. 手、腕を被災
2.手と他の部位を被災
  • 加熱した容器から噴出した洗浄液が右手中指と左眼に接触(熱傷)
  • 高温(容器等)3
3.顔と他の部位を被災

機械的安全対策事例 等(発生源対策) [詳しくはこちら 次へ]

1.運搬容器の密閉化
  • 合成樹脂工程サンプル運搬には密閉容器を使用
2.付帯設備の改修等
  • 扉を確実に開けられるよう、ドアノブをレバータイプに変更
  • 扉を開くときに、扉の隙間から体が離れるように、扉の取っ手部分を沸騰水試験の水蒸気量を減らすために容器を10Lに固定
3.静電気放電による着火防止
  • ペレット状樹脂を、静電気を発生しにくい液体に変更
  • 作業床を導電性塗装、作業者に帯電防止ベルトを着用させる(人体帯電防止)
  • 破損した集塵ダクトの修理

行動教育事例 [詳しくはこちら 次へ]

1.作業手順の変更
  • 工程サンプルは密閉容器で運搬する。
  • 加温洗浄後の洗浄液移し替えは冷却後に行う。
  • 沸騰水試験容器の蓋は水蒸気が逃げるように一部開放しておく。
  • 沸騰水試験容器の蓋を開けるときは自身と反対側から開放する。
  • 加温庫の扉は水蒸気元バルブ閉止後10分間は開放禁止とした(タイマーで計測)。
2.保護具着用教育
  • 沸騰水試験作業時は長袖作業着と長手袋を着用する
  • 原料投入時は防毒マスクを着用する(肺に炎が入れば気管支をやけどする【気道熱傷】)

ポイント使用上のチェックポイント

1.高温液体運搬方法
  • 高温液体の運搬には密閉容器を使用する。
  • 加温した物の取り出しは可能な限り冷却してから行う。

※合成樹脂サンプルの場合、有機溶剤蒸気の飛散から作業環境を守るためにも密閉容器を使用すること。

2.加熱容器・設備の開放
  • 加温している容器、設備を開放するときは高温物が放出されることを危険予知した行動をとる。
  • 容器内部に水蒸気が溜まらないように隙間を開ける。
  • 設備内部の水蒸気量が減少してから扉を開ける。
3.皮膚の露出を防ぐ作業着や保護具を着用する
  • 長袖作業着、長手袋の着用
4.応急処置で被害を最小限に留める
  • 流水で冷やす(無理に服を脱がさない)→ 専門医へ受診
  • 火災等で炎や蒸気を吸引した場合→ 気道熱傷を疑い、専門医へ受診
  • 火災等で炎や蒸気で眼を熱傷した場合→ 眼を流水で冷やし、専門医へ受診
熱傷の応急措置方法
※代表的なサイト
linkファーストエイド/Firstaid-japan
ファーストエイド/Firstaid-japan
link徳島県三好市
やけど対処法
気道熱傷、眼の熱傷
linkMSDマニュアル家庭版  煙の吸引眼の熱傷

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